佐藤 淳一
札幌の水道は計画的に水源を確保しながら給水需要の増大に対応をしてきました。現在は、豊平川、琴似発寒川、星置川の3つの河川を水源としており、豊平川に関しては札幌市の水道水の98%を賄う大変大きな存在となっております。豊平峡ダム、定山渓ダムをはじめとして、札幌の水がめ」の役割を果たしています。また、定山渓発電所、豊平峡発電所、砥山発電所、藻岩発電所で水力発電にも利用されております。
今年は6月から7月にかけては記録的な雨の少なさにも関わらず、水の心配がないことは大変恵まれていると感じます。計画的な水源の確保と冬期間の降雪により、多量の雪が夏期近くまで融雪水や涵養水として蓄えられるため、水量が比較的安定しており、札幌市は今まで一度も水不足を経験したことがないそうです。
道外の他地域では空梅雨のため水不足で取水制限をするというようなニュースも見ました。私も札幌に住んで15年になりますが、全国的に深刻な水不足があった時も一度も水不足の心配をしたことはありません。札幌に限らず北海道は雪国ならではのことかもしれませんが非常に恵まれていると思います。
震災のあとのニュースを見ても水は生活する上で最も大切なものだと感じる一方で普段何も考えずに使っておりますが、使えなくなって初めてその存在の大きさを感じるのかもしれません。
今では豊平川の洪水等氾濫したというニュースは聞きませんが、年配者によると昔は氾濫して中央区の一部でも水に浸かった地域があると聞きました。豊平川は花火大会やイカダ下り等市民のイベントでも活躍しますが、かつては雨で氾濫していた川である一面もあります。普段は穏やかに流れ市民のライフラインである水を運ぶ大切な川ですので汚れないように市民一人一人の意識も必要ではないでしょうか。