社員レポート


営業部 草野 裕樹

4月レポート

 毎年この時期は多くのお客様が部屋を探して入居し、そして多くの方が就職や転勤などで引っ越しをする。多くの方の退去に立会い、それと同じくらいの方の入居に立ち会った。私は退去立会い時にカギを現地にて引き受け、部屋のチェックや不具合の聞き取り、差支えない程度に引っ越し理由と住んでみた感想を聞いている。そのことが今後部屋を募集する際に有益であるのとともに、その部屋のみならず他の部屋でも有用な情報を得て戦略を立てるためである。入居時の立会いも同じような意味合いがある。実際に書類とカギだけ渡されて「現地へは自分で行ってください」などと言われたら、もし自分が同じ立場だったら相応に不安だろうし入居して間もなくは漏水や設備の不具合も想定できるため、それらに対処する意味合いもある。私が一緒に現地へ行って設備の確認をしたり、実際に使用方法を実践して見せたりするとお客様は安心して入居できるし、何かあっても私へすぐに連絡をくれるためである。連絡先も不明で、どうしていいか分からず不安な時間を過ごすことはとてもストレスであり、無駄な時間である。そんな時間を少しでも減らしたり、誤使用によるトラブルも併せて防ぐことができるためとても有用な時間となる。もっと重要なのは入居する方とのコミュニケーションが増えて信頼関係が増加することである。信頼関係が成り立たなければ話してくれないようなこともあるし、何かあっても放置されてしまったりする。そのことが後々に大きな爪痕になって返ってくることもある。そうなる前にコミュニケーションをとり、信頼関係を構築し、入居後のライフスタイルを支援することも我々不動産業者の役目なのである。またこの関係は部屋を退去した後も当然続く。トラブルなどの対応を疎かにして不評なまま退室されたお客様は友人、家族、知り合いに対し絶対に「いい不動産屋だった」などということは言わないであろう。むしろ尾ひれ羽ひれが付いて「1」だった話が「10」の悪い話に変わるかもしれない。そんな話はネット等で独り歩きし、無い様なこともあたかもあるが如くに書かれてしまうものである。悪い話はあっという間に広がるのである。逆に良い話は少しずつしか浸透はせず、ゆっくりと評判は上がっていく。少しずつだが話は伝播し、「紹介」によって幅はどんどん増えていくのである。労を惜しめば手柄はなく、次というチャンスすらなくなるかもしれない。しかし労を惜しまず、見返り以上の仕事をすれば人はその部分を評価として見てくれるのである。それがどんどん増えていき、紹介へつながり、仕事の幅は増えていく。もちろん黙っていれば仕事が来るなんてことはなく、普段の研究・勉強も必要である。学識無くして不動産は扱えないのである。それだけ責任のある仕事なのである。資産を運用したり、お客様の人生の一瞬でも関与させて頂くというのは、それだけ責任があるということを我々は自覚しなければならないのである。労を惜しまず、勤勉を絶やさなければ、きっといつか自分も報われる時が来るのだと思う。