社員レポート


佐々木

平成27年3月度レポート(5/9)

 小学6年生が蹴ったボールが原因でオートバイに乗った高齢者が倒れ死亡した事故の民事訴訟の最高裁の判決が、4月9日出るようだ。

1・2審では両親に1000万円以上を支払うよう命じています。最高裁ではこれを見直す見通しで、親の監督責任の在り方について新しい判断を示す可能性があるとされている。

2004年2月、愛媛県今治市の小学校の校庭で放課後、子供たちがサッカーをしていた。当時11歳の小6男児がゴールに向けて蹴ったボールが高さ1.3mの門扉、外側の幅約2mの溝を越えて道路に転がり、オートバイの80歳代男性がよけようとして転倒。足の骨折などで入院し、約1年4か月後に肺炎で死亡した。

 遺族は07年、男児と両親に賠償を求めて提訴した。1審・大阪地裁、2審・大阪高裁はいずれも男児に過失があったと判断。事故と男性の死亡との因果関係も認め、男児の両親に賠償を命じた。賠償額は2審判決で約1180万円に上る。
裁判で少年側は「校庭でボールを使って遊ぶのは自然なこと」と主張。しかし判決は「蹴り方次第でボールが道路に飛び出し、事故が起きることを予見できた」と過失を認定。さらに事故から約1年4ヶ月後の男性の死亡との因果関係も認めた。
 判決は民法712条の「未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない」とする規定を適用し、両親に賠償責任を負わせた。
 民法714条は、責任能力を欠く子供や認知症のお年寄りらが事故などを起こした場合、「監督義務者」が賠償責任を負うと定めている。監督義務を怠らなかった場合は責任を免れるが、十分な監督義務を尽くしたことを証明しない限り、未成年者の親が賠償責任を負うことになっている。1審判決は免責を認めず、2審判決も「校庭ならどう遊んでも良いわけではなく、この点を男児に理解させていなかった両親は監督義務を尽くしていない」と判断した。

 訴訟関係者によると、少年側は他人に損害を与えた場合に備えた保険に加入しており、保険会社と男性の遺族間の示談交渉が折り合わず、裁判に発展した。
 遺族側は「少年側の責任は明らか。学校の責任を問うことで争点を増やし、審理が長期化するのは避けたい」として、裁判の被告を少年と両親に限定。このため、学校設置者の今治市は「利害関係者」として少年側に補助参加したものの、「学校管理下の出来事でなく、監督責任はなかった」との主張は争われず、判決も触れなかった。


 同種の訴訟で、裁判所はほぼ例外なく監督責任を認定してきたよう。今回どういった判決が出るのか、それによっては大きな社会的影響があるので注目されている。