社員レポート


営業部 草野 裕樹

平成26年8月レポート(8/9)

 首都圏では景気が良い、物が売れる、学生の青田狩りがあるなどかつての華々しい時代の再来かのような良い話だけが聞こえてくる。 不動産も売れるし、価格も上がっている。市場には物が無い等、ほんの2、3年前なら考えられなかった話である。これがいつまで続くか、どの程度の成長につながり、どのような方向に向かっていくのかは全く不透明な話ではあるが、悪い話ではない。

 では札幌はどうなのだろうか?景気が地方都市まで波及してくるまでは1〜3年の時間を要すると言われている。それは水滴が水面に落ちる時に出来るような波紋と同じように、大きな波が徐々に弱くなりながら周辺に波及していくのと同じなのであろう。札幌における景気の動向はそこまで悪いようには見えない。かといって何か湧き上がるような熱気や躍動感は全く感じられない。地味に上がってきているかのようである。不動産においていうなら、不動産市場は盛況である。実際に物が無く、去年や一昨年のようなストックが無い。業者が登録するサイトを見ても目新しいものは無く、問い合わせても売れてしまっているか、あまりにも価格がかけ離れていて売れ残っているかという具合である。新しい出物があると反響が何本か寄せられ、売るのが惜しくなるような衝動に駆られる。
 一般サイトに登録をしていてもエンドユーザーからも多くの反響が寄せられ、実際に中を確認してみたい、検討してみたいという問い合わせが多く寄せられる。今までより高額な根付けをしているにもかかわらず、物件が無いためか申し込みが入ってくるのを見ていると、このままの勢いが続けばと思ってしまう。

 しかしそのような勢いは長くは続かないと私は考える。今は勢いよく物が捌けて、売り上げが上がっても物が無ければいずれは消費は縮小し元の状態に戻っていく。また価格についても消費動向が縮小傾向が続けば市場に余剰が起き、価格も下落傾向に働く。しかし人の動向は景気の動向とは合致しないため、しばらくは現状が維持できるのではないかと錯誤してしまい、縮小傾向に気付かず流れと逆行をしてしまったりするのである。それがバブル時代の姿であり、爪痕なのである。

 今は消費税の値上げ第二弾やオリンピックの開催による需要や建築ラッシュで景気や経済はある程度維持できると思うがそれが飽和状態になった時、一気に下落傾向を指し示すのではないだろうか。現状はまだ何も見れていないが、その気付くチャンスや傾向を見逃すと気が付かないうちに景気の動向に取り残されてしまうのではないだろうか?