社員レポート


佐藤 淳一

人間関係の構築(2011/12)

 大家さんの中には入居者と積極的にコミュニケーションをとっている方がいらっしゃいます。入居中の不具合が発生した場合は通常はまず当社へ連絡が入り、大家さんへの連絡は当社からとなります。通常は修理業者が行って修理となりますが、不便をかけたことについて連絡を入れる大家さんがいらっしゃいます。素晴らしいことだと思います。簡単そうに感じますがなかなかできることではありません。リタイアしていて時間があるからできているのかもしれません。

 中には入居されている方からお礼の品が届いたという大家さんもいらっしゃいます。大家さんが一生懸命考えて内装して家具家電を設置し申込みになり、賃貸の重要事項説明をしている際に大家お手紙を書いてもいいかと聞かれたのですが、本当に手紙を書いたようで受取った大家さんは「札幌へ行ったら一度会いに行かないと」と大変喜んでいました。普段の契約書類のやりとりなどでも、戻って来た書類に一筆添えてあるとなんだかうれしい気持ちになります。私は自分ではできていませんが、年配の方は特にさりげなくされるので素晴らしいと思います。

 大学近くのアパートの大家さんで毎年12月に入居者を集めてレストランでディナーをご馳走しているという方がいらっしゃいました。アルバイトやデート等で年々人数が減ってやめたそうですが、家賃をきっちり支払ってもらったお礼にと思ってやっていただけに残念だったそうです。自宅周辺でもアパートを経営していて、中にはお付合いしている人を紹介したり、結婚後子供を見せに来る人もいたそうですが、人間関係がだんだんと希薄になった今では大家さんから声をかけられるのがいやだという人もいる時代になってしまいました。直接大家さんじゃなく管理会社が入っている方がいいという人も多い時代です。

 関わりを持とうとしても管理会社からはなかなかできません。私は契約した方の中に家賃を持参される方がいますので、顔を合わせた時には近況を話したりするのですが、中には顔色が悪く話を聞いたら病気なんてこともありました。

 我々の仕事は些細なことでほんの一瞬で嫌われてしまったりします。一度嫌われたら信頼を取り返すのは大変難しいことです。部屋を出るときにお互いに良かったと思える関係を築きあげていきたいと思います。